40%キーボード一覧表

40%キーボードとは?

通常のキーボードの大きさの40%しかない「40%キーボード」というジャンルがあります。国内では、あまり発売されていませんが、海外ではいろいろな40%キーボードがあり、購入することも可能です。

組み立てられたものやケースやキーなどのキットをはんだ付けして作るもの、1から自作するものなど多種多様です。

40%キーボードの使い心地

キー配列が少ないため、複数キーを組み合わせて入力する必要があります。たとえば数字を入力する場合は、「Fn1キー+Aで2を入力」といった具合です。
40%キーボードによって、入力方式が異なるため、それらをすべて覚えて習得する必要があります。

40%キーボードは、慣れれば通常利用できますが、最初は非常に苦労します。ですが、慣れたあとは、一般的なキーボードでは得ることのできない、独特の体験ができます。

たとえば、キーが少ないため、指による移動範囲が非常に狭くなるため、入力ミスが減り、入力しやすくなります。特に、移動(矢印キー)はホームポジションを崩さずに移動できるため、それがまた心地よいです。

さらに、キー配列をキーボード上で自由に設定できるもの(ハードウェアマクロ)が多く、自分の使いやすいようにどんどん改善していける点も、40%キーボードの魅力です。

また、見た目としてもミニマルでインパクトがあるため、「なにこれ?」と声かけられることが多いです。使い心地も、見た目も、両方楽しむことができます。

ですが、やはり慣れが必要となるため、よほどのキーボード好きや40%キーボードをどうしても使ってみたい、自分が使いやすいように根気強く設定していく、というひとではない限り、おすすめはしません。

40%キーボードの購入

キーボード好きが購入することが多いせいか、キーキャップやケースなどをカスタマイズしているひとが多いようです。以降に紹介する商品もカスタマイズしているものが多いため、そのまま購入できるとは限りません。

特に完成品として販売されておらず、キットを組み立てたり、パーツを自分で集めるタイプのものは、はんだ付けやキーレイアウトの書き込み(デフォルトで問題なければ必要ないですが)が必要になります。

(参考)パーツを購入して組み立てからキーレイアウトの書き込みまで、非常にわかりやすく解説されているサイト → The Planck Keyboard 、無駄を徹底的に省いたキーボードを作ってみた

また、US配列(英語配列)のキーボードがメインになるため、その点も注意してください。印字どおりに打てない、などの問題が発生し、環境設定が必要になる場合があります。
私はMacで複数のキーボード(全部で4つ)を接続して利用していますが、VORTEX COREをMacと接続して、US配列のまま利用しています。一方で、HHKBはJIS配列(日本語配列)で利用しているため、US配列とJIS配列の両方を暗記しました。

購入時には事前に問合せしたり、ネット上で相談したりと、情報収集することをおすすめします。

40%キーボードの組み立て

製品は以下のような種類の完成度に分かれます。

パターン1:完成品

組み立てる必要なく、箱から出してすぐ使える40%キーボード。

パターン2:キットを組み立てるパターン

ファームウェア書込済みのプリント基盤やキーキャップなどが入っていて、はんだ付けまたは組み立て(基盤とケースをネジで止めてキーキャップをはめるだけとか)すれば使える40%キーボード。

パターン3:プリント基盤と必要なパーツを買って組み立てるパターン

基盤のみ販売されていて、それ以外は好きなパーツを自分で買い揃えて、はんだ付けすれば使える40%キーボード。

パターン4:自作パターン

プリント基盤やケースをGitHubのようなオープンソースサイトからDLして設計し、DMM.makeのようなところに作成依頼する。基盤やケースができたら、組み立てに必要なパーツを買って、はんだ付けやファームウェア書込などを行えば使えるようになるオープンソース系自作40%キーボード。

40%キーボードの種類

VORTEX CORE(ヴォーテックス コア)

OLKB Planck(プランク)

  • 組み立て方法: キットを組み立てる(はんだ付け必要)
  • キー配列変更方法: QMKファームウェア書込
  • 購入可能サイト: メーカーサイト OLKBMassdropなどで販売されます。タイミングによって購入できたり、できなかったりするため、気長に探してみてください。
  • コメント: キー配列が格子状になっていて、独特の形状となっています。

MiniVan(ミニバン)

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orange banana 🎾

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  • 組み立て方法: キットを組み立てる(はんだ付け必要)
  • キー配列変更方法: QMKファームウェア書込
  • 購入可能サイト: メーカーサイト TheVan KeyboardsMassdrop、クラウドファンディング(ごくたまに)など。

Helix

  • 組み立て方法: キットを組み立てる(はんだ付け必要。キースイッチとキーキャップは自分で買い揃える必要あり)
  • キー配列変更方法: QMKファームウェア書込
  • 購入可能サイト: Helix キーボードキット – 遊舎工房
  • コメント:国内メーカーなので、日本語+写真つきで、非常にていねいな組み立て方法の説明ページなどもあるため、迷うことはないと思います。

Let’s Split

  • 組み立て方法: プリント基盤と必要なパーツを買って組み立てる
  • キー配列変更方法: QMKファームウェア書込
  • 購入可能サイト: Let’s Split PCBs – Mehkee
  • コメント:「Let’s Split」でGoogle検索すると、購入方法から組み立て方法まで、たくさん情報が出てくるため、迷うことはないと思います。

JD40 Mk.II

  • 組み立て方法: プリント基盤と必要なパーツを買って組み立てる
  • キー配列変更方法: QMKファームウェア書込
  • 購入可能サイト: JD40 PCB – MechanicalKeyboards.com

JD45

キー配列が異なるタイプがいくつかあります。

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Mail day #jd45 #mechanicalkeyboard

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  • 組み立て方法: 完成品またはキット(はんだ付け必要)を組み立てる
  • キー配列変更方法: QMKファームウェア書込
  • 購入可能サイト: おそらく生産終了(?)で入手困難。
  • 組み立て方法: 完成品またはキット(はんだ付け必要)を組み立てる
  • キー配列変更方法: QMKファームウェア書込
  • 購入可能サイト: おそらく生産終了(?)で入手困難。

Daisy 40%

https://www.instagram.com/p/BcNT-winG6l/?utm_source=ig_web_copy_link

  • 組み立て方法: プリント基盤と必要なパーツを買って組み立てる
  • キー配列変更方法: QMKファームウェア書込
  • 購入可能サイト: DAISY 40% CUSTOM KEYBOARD PCB

参考サイト

キーボードのカラーリングシミュレーター

キーボードにキーキャップをつけるときに、どんな感じの見え方になるのか、シミュレーションしたい時があるかと思います。
一番手っ取り早いのは、Google画像検索やInstagramで検索することですが、それでも期待するものが見つからない場合は、キーボードのレイアウトやカラーリングをシミュレーションサイトを利用すると便利です。

キーボードカラーリングシミュレーター

keyboard-layout-editor.com

使い方

色をつけたいキーをクリックして選択し、「Legend Color(印字の色)」や「Key Color(キーキャップの色)」をクリックして、好きな色を選択するだけです。

複数のキーを一括で選択して一気に色を変更したい場合は、controlキーやshiftキーを押しながらクリックすると、複数選択できます。

他にも、キーを追加したり、印字の表示有無を選択できたりと、非常に高機能です。

カラーリングのサンプルイメージ

試しに、Massdropで人気(と思われる)の淡いパステルカラーと、ダークカラーの2スタイルをカラーリングしてみました。

MiTo XDA Canvas風イメージ

シミュレーター

実物のイメージ

Canvas XDA R2 – News and tweaked kits, are you covered? #bio 🎨

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MiTo Pulse SA風イメージ

シミュレーター

実物のイメージ

How do you like runes?! Pulse SA live, link on bio! @ramaworks

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どんなキーボードがあるのか

PCキーボードは、タイピング音、打鍵感(タイピングした時の感触)、手触り、形状、そして見た目も多種多様です。服や髪型、枕、コーヒーなどと同じように自分のこだわりや好みといった嗜好性が強く出る物でもあります。
たとえば、会社でPCを使う人(デスクワーク)は打ち心地のよいキーボードを、自宅をオシャレにしたい人はデコレーションされたキーボードを置く、といったことができます。キーボードを変えることで毎日が楽しく、心地よくなります。

まずは、それぞれ実物を見るとイメージがつきやすいかと思います。

タイピング音(打鍵音)

一般的なキーボードの音

「カチャカチャ」という軽めの音がします。バネの反発力があり、キーの押し具合が少し重めであることもタイピング音から伝わってきます。仕組み上、キーをしっかり押さないと入力できないため、自然とタイピング音も大きくなりがちです。
デスクトップPCは「メンブレン」と呼ばれるキースイッチで、ノートPCは「パンタグラフ」と呼ばれるキースイッチになり、それぞれ機構が異なりますが、ここではデスクトップPC用のキースイッチの音を掲載します。

高級キーボード(メカニカルキーボード)の音

「カシャカシャ」という音がします。バネの反発力が軽めになっていることが、音から伝わります。(バネの反発力を重めにするキースイッチもあります)
メカニカルキーボードは、キースイッチ(キーを押し込む時の機構)の種類によって、音が大きく異なります。たとえば、「青軸」と呼ばれるキースイッチは、「カチカチ」という音がなります。ここでは、一般的によく使われる「赤軸」と呼ばれるキースイッチの音を掲載します。

最高級キーボード(静電容量無接点方式キーボード)の音

「コトコト」や「カコカコ」という、しっとりした音がします。
「静電容量無接点方式キーボード」と呼ばれ、キーの押し込み具合によってキー入力の判定を行います。

ASMR(脳が気持ちよいと感じる音)キーボード音

キーボードのタイピング音に注目した、ASMR(脳が気持ちよいと感じる音)やヒーリングサウンドがあります。ひたすらキータイピングをする音、ささやき声とともに静かにキータイピングする音、タイピングするとキーが光って視覚的にも楽しめるものなど、たくさんの動画がアップされています。

打鍵感(タイピングした時の感触)

キーをタイピングした時の沈み込みや反発力(バネの力)など打鍵感に繋がります。
こちらは動画や画像では伝わりにくく、実際に触ってみないとわからないため、身近にあるものを例にお伝えします。

一般的なキーボードの打鍵感

みなさんの会社や自宅にあるようなキーボードやノートPCのキーボードになります。PCキーボードであれば、タイピングしたときに少し硬めの反発力があると思います。
一方でノートPCであれば、反発力が軽めになっていて、キーの沈み込みも非常に少ないといえます。2017モデルのMacBook Proや一部の極薄ノートPCでは、キーの沈み込みが全くなく、タイピングしたときに「ペチペチ」といった音が鳴ります。

高級キーボード(メカニカルキーボード)の打鍵感

最適な例が思い浮かばなかったのですが、そろばんを弾いた時の感覚や音に、少しだけ似ているかもしれません。

最高級キーボード(静電容量無接点方式キーボード)の打鍵感

コンビニ(セブンイレブンなど)や銀行のATMが、静電容量無接点方式のキーになっている可能性が高いです。
静電容量無接点方式」は、キーの沈み込みによって入力判定を行うため、物理的な耐久性に強く、しっかりとキー認識できる、誤入力を避けたい場合に使われます。金額入力など誤入力が発生すると利用者が困るため、金額を扱うような場面では静電容量無接点方式のキーが利用される機会が多いようです。

手触り

プラスチック素材からアクリル樹脂、そして木の材質まであるため、幅広いです。一般的にはプラスチック素材が多く流通しています。それ以外の素材はレア物になるかもしれません。

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(Auction ended) Hello everyone! I have a handful of special keycaps I have made and I'm going to try out an auction style sale. There are made in extremely small quantities and have a perfect high-gloss finish and perfect stems. This one has a beautiful Mosaic Opal Cabochon encased in the center. It is R2 SA with mx stem. Will ship in the padded/windowed tin. -HOW THE AUCTION WORKS- Comment on the post with your bid and @ the person who bid before you. There is no reserve and the auction ends when I call it, most likely Friday afternoon. I'll start the bidding at $40 – Edit… Forgot to say please bid in incriments of at least $5. – free shipping worldwide – #keycaps #keycap #artisankeycaps

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形状

レイアウトとしては、テンキー付きのフルサイズからテンキーレスのコンパクトサイズ(60%の大きさ)、さらに数字キーをなくした40%キーボードまであります。
また、ノートPCのように平べったいものから、厚みのあるもの、エルゴノミクス(人間工学をもとにタイピングしやすくしたもの)として左右に分割したものもあります。

見た目

キーキャップを交換したり、LEDでキーを光らせたり、キーボードの土台自体を変えてしまう、といったカスタマイズが可能です。

機能

最近では、プログラマブルとして、キーボードのレイアウトをキーボードのハードウェア側で制御して変更することができます。たとえば、CapsLockとCtrlのキー
を交換したい、という場合はキーのレイアウトを変更するためのソフトウェアをPCにインストールする必要がありますが、プログラマブルはその変更機能がキーボード上でできるため、ソフトウェアが必要ありません。
また、入力したキーに合わせて音楽や効果音を鳴らしたり、LEDで光らせたり、そういった機能を持ったキーボードも人気です。

私が持っているVortex Coreはプログラマブルのため、ソフトウェアがインストールできないPC端末を利用する時には、非常に重宝しています。


キーボードの何がうれしいのか?

趣味性の強い嗜好品になりますので、キーボード独特の世界観があります。
「純粋に使いやすいから」という理由や「コレクターとして収集自体が楽しい」という人もいます。

体験・感覚が変わる(UX)

キーボードをタイピングした時の気持ちよさ、癒されるタイピング音、InstagramやMassdropでレア物を発見した時の高揚感まで、探す楽しさと、使うおもしろさを兼ね備えています。見た目も多種多様に変えることができるため、自分独自の世界観に没頭できます。服や靴、コーヒー、時計、万年筆などの世界観と似ています。

使い勝手が変わる(UI)

実用面として、自分がタイピングしやすいレイアウトや形状を選択することで、タイピングのミスを防いだり、手首や首の疲れの軽減ができます。
キーボードの大きさも色々あるため、省スペースの机にはコンパクトサイズのキーボードを選択して机を広く使うといった工夫が可能です。

どこで入手できるのか?

タイピング音・打鍵感・形状を変えたい

キーボードをカスタマイズすることもできますが、手っ取り早いのはキーボード自体を購入してしまうことです。まずは日本で入手できるキーボードから手を出すのが安心です。

メカニカル・静電容量無接点方式キーボードの中では、「PFU」「東プレ」「ARCHISS」「FILCO」が有名どころのため、そちらをまず見てみるとよいです。できれば、家電量販店などにいって、実際に触ってみることをオススメします。

Amazon – メカニカルキーボード(PFU,東プレ,ARCHISS,FILCO)

見た目・手触りを変えたい

一般に流通している商品の場合は、デコレーション済みのものが少ないため、お手持ちのキーボードに取り付け交換できるキーキャップ(別名:キートップ)を購入したり、シールなどでDIYすることになります。

DIYでキーボードをデコレーションする

シンプルにマスキングテープでDIYする方法があります。DIY女子であれば、すでに手持ちのマスキングテープでかんたんに作れそうです。

マスキングテープでキーボードをデコっておしゃれなパソコンへリメイク!

キーキャップを交換する

自分のキーボードと交換が可能なキーキャップを探す必要があります。
Amazonなどで、「キースイッチの名前(Cherry MXなど)+キーキャップ」と検索すると、バリエーションは多くないですが、見つけることができます。

Amazon – Cherry MX キーキャップ

キーボードの現状

海外ではキーボードのカスタマイズが活発

海外ではキーボードのコミュニティが活発なため、カスタマイズや自作したキーボードを持ち込んで情報交換や実際に触ってみる、といったイベントが行われています。

Instagramでもキーボード画像は多い

Instagramのハッシュタグで検索すると、2018/5/7時点では、
– #mechanicalkeyboard:投稿91,446件(ノイズを除くと推定54,000件)
– #keycap:投稿13,427件
– #メカニカルキーボード:投稿195件

ただし、「#mechanicalkeyboard」で検索すると、カー用品など関係ないものがおそらく40%ほどは混じっているため、実際には54,000件程度でしょうか。

日本製高級キーボードが人気

画像投稿サイトのInstagramやレア物グループ購入サイトDrop(旧名称:Massdrop)などを見ていると、日本製の高級キーボードをよく見かけたり、日本語が印字されたキーキャップが販売されているのを目にします。
海外の大手掲示板Reddit(オバマ元大統領が書き込んだことでも有名な)でも、メカニカルキーボードの入門として日本製キーボードが挙げられています。

Happy Hacking Keyboard(日本製)

キーボードに興味がない人でも「あ、なんか見かけたことがある。エンジニアの人が使ってたな。」という声をよく聞きます。キーキャップに文字の印字がないため、斬新で印象に残っていたという人も。(文字が印字されたシリーズもあります)
富士通の子会社でPFUという会社が販売しています。

Realforce(日本製)

東プレ(Topre)という会社が販売していて、銀行の窓口業務用キーボードは東プレ製のものが大半とのことです。(古い情報ですが2002年頃は国内は100%が東プレ製とのこと)

日本語キーキャップも

日本語が印字されたキーキャップも見かけますが、日本語圏向けではなく、英語圏・海外向けのようです。
日本語版キーボード(JISキーボード)の「2」のキーは「”2ふ」が印字されていますが、海外販売されている日本語キーキャップは、「2」のキーは「@2ふ」が印字されています。これは英語圏などのキーボード(USキーボード)が、そのように配置されているため、そのままの配列に日本語を印字したようです。

(参考)長崎外国語大学 USキーボードと日本のキーボードの違い

日本語キーキャップは、寿司や顔文字、桜、富士山などが印字されているケースもあり、外国人が好きそうなデザインになっていることが多いです。

ユニーク性のあるレア商品が海外で爆発的に売れる

Drop(旧名称:Massdrop)というレアものがディスカウント価格で入手できるコミュニティ型グループ購入サイトがあります。Dropでは、ファッション、アウトドア、DIY、化粧品などの趣味系カテゴリーを扱っているのですが、その中でもメカニカルキーボードというカテゴリーがあり、キーボード界隈では非常に有名です。

Drop

Dropとは?

コミュニティを形成していて、なんの商品が欲しいかアンケートを取って、一定数以上になったら販売者とディスカウント交渉をして、みんなに販売するという仕組みになっています。
Dropでは、毎日商品がアップされるため、私はメカニカルキーボードのカテゴリーを毎日チェックしています。(下図はそのスクリーンショットになります。本来は左上に通常価格とディスカウント価格が表示されるのですが、特別価格となっているため、販売メーカーを配慮して、一般公開されないようにDrop側で気をつけているそうです。そのため、価格はこちらで削除したものを掲載しています。)


引用元:Drop

毎日チェックしていると、なんの商品がたくさん売れるのか、だいたいわかるようになってきます。傾向としては、キーキャップのレアものとDropコラボ商品(画像に「Drop Made」と表示されます)が特に人気が高いです。キーボードはAmazon.comなどで普通に買って入手できるから、レアもののキーキャップなどが注目されるのかもしれません。
販売数が多いものだと500件ほど売れたり、逆に1件程度しか売れないものもあります。

特に販売数が多かったキーボードアイテム

Hammerブランド、MiToブランド、SAプロファイル(キーキャップの形状でやや高さのある一般的なもの)のものは、特に販売数が多かったです。以下の「Drop x MiTo DSA Legacy Custom Keycap Set」というキーキャップのセットは、私も購入しました。DSAプロファイル(キーキャップの高さが低めでキーキャップ自体に高低差がないため、横から見ると真っ平ら。一般的にはほとんど見かけない)は他のキーキャップの形状と比べて販売者も少なく、Dropにもあまり出てこないためか、相当な数が売れていました。2017年〜2018年でウォッチした限りでは、10ヶ月間に1件程度の販売頻度でした。

Drop x MiTo DSA Legacy Custom Keycap Set

Hammer SA Carbon Artisan Spacebar

Idea23 Bubble Tea Artisan Keycap

引用元:Drop x MiTo DSA Legacy Custom Keycap Set
引用元:Hammer SA Carbon Artisan Spacebar
引用元:Idea23 Bubble Tea Artisan Keycap

キーボード情報サイトがない現状

キーボードに興味を持ち始めても、種類から買い方まで網羅している情報サイトが発見できず、非常に苦労しました。TSUKUMOさんの「交換用キートップまとめ特集」やセンチュリーさんの「CHERRY MX メカニカルキーボード音の違い」、ブロガーさんが解説している記事などがあり、それらを参考に情報収集しました。
2017年にVortex Coreというキーボードを海外から購入しましたが、その時はVortex Coreのレビュー記事が日本だと2件程度しか存在せず、やむをえず海外の情報サイト(RedditやDrop、geekhackなど)を参考にしました。
(2018年現在はVortex Coreが日本で発売されることになったため、レビュー記事が増えています。本当にありがたいことです。)

海外ではコミュニティも活発なので、色々と質問やディスカッションができますが、日本だとそのような場がない状況です。

どんな種類があるのかわからない

キーボードは、タイピング音、打鍵感(タイピングした時の感触)、手触り、形状、そして見た目も多種多様です。自分がほしいと思うものにたどり着くまでの情報収集が本当に大変です。
具体的な種類については、別途ご説明します。

購入方法がわからない

日本製の高級キーボードに関しては、Amazonや家電量販店で購入することができるため、特にハードルは高くないです。ですが、海外には他にも素敵なキーボード(VortexやPlanckなど)やキーキャップがたくさんありますが、それらを入手するためには日本の海外輸入店から購入するか、海外購入サイトで購入して日本に送ってもらうしかないです。
私は、海外サイトの「Mechanical Keyboards Inc」、「Drop」、「Banggood.com」で購入したことがあります。「Amazon.com」から海外配送してもらう方法もあるのですが、2017年時点では日本への海外発送しているキーボードが少なく、ほしいものが買えませんでした。
具体的な購入方法については、別途ご説明します。

カスタマイズ方法がわからない

キーボードのレイアウトは、日本のJISレイアウト/USレイアウトか、Windows配列/Mac配列か、DSA/SA/OEM/Cherry/XDA/DCSか、などチェック項目がたくさんあります。
また、Planckのようにキーボードをはんだ付けして組み立てないといけないものまであります。
最近では、マスキングテープを使ったお手軽DIYが、DIY女子の中で流行っているようです。
具体的なカスタマイズ方法やDIYについては、別途ご説明します。

キーキャップの交換自体は非常にかんたんです。キープラーと呼ばれる道具でキーキャップを引っこ抜くだけです。

スマホもあるしキーボードって本当に必要なのか

デバイスと利用シーンが多様化しているため、PCを使わずにスマホで完結している、という人もいると思いますが、会社でキーボードを使って業務を行う人にとっては、やはりキーボードは必須アイテムとなります。もし、AIと音声認識が発展していったら、音声で指示するだけで業務ができるようになるのかもしれませんが、それはまだ遠い未来かと思います。
タブレット端末の利用シーンも増えましたが、「結局キーボードがないとダメだった」という記事が2016年に出ています。私もSurface Proを仕事で使うことがありますが、キーボードがないとさすがに不便です。

どんな人がキーボードにこだわるのか

私の周りにいる30代〜50代の友人10名程度にヒアリングしてみたところ、「30代〜50代で、会社でPCキーボードを仕事としてメインで使う必要のある職業(エンジニアやデザイナーなど)の男女」がキーボードにこだわっているようです。会社で見かけたことがあると言っていました。

なお、20代の大学生〜新卒(文系・理系)の後輩6名程度にもヒアリングしたところ、いずれもPCを持っていて、論文や研究はキーボードを使って作成したとのことです。
キーボードに種類があることはまったく知らなかったことと、キーボードの打鍵感の違いを伝えてもピンときていませんでした。

ただし、1名だけメカニカルキーボードを利用している学生がいて、「たまたまメカニカルキーボードを知って、打鍵感の気持ちよさからハマった。ゲームをやっている人だとメカニカルキーボードが必須なので。」とのことでした。
20代の若い世代でも、ゲームをきっかけにキーボードにこだわる人も多いようです。

私がヒアリングした人の属性に偏りがあるため、上記情報しかわかりませんでしたが、ほかには、ゲーマー(オンラインゲームなど)、カスタマーサポート業務やキー入力業務をする人、コンサルタント、アーティスト(持ち物にもオシャレに気を使うため)などもターゲットになると想定しています。

最近の話では、「会社で、デスクトップPCを撤廃してノートPCに移行した影響で、キーボードが使いにくくなった」と友人から聞きました。そこで、ノートPCにキーボードをつけて使っている人を見かけたとのことです。私もノートPCを主に利用するため、キーボードをつけて使っています。

キーボードの市場規模

市場規模の金額が載っているリサーチ資料は有料だったため、まだ閲覧できていませんが、2017年12月にGfkジャパンが発表したプレスリリース「「パソコンゲーム周辺機器の販売動向」 – 市場は4年で2倍に」によると、eスポーツの盛り上がりもあって、ゲーミングキーボード(パソコンゲーム用キーボード)を含むパソコンゲーム周辺機器の市場が伸びているそうです。また、「ゲーム用キーボードの税抜き平均価格は一般モデルの約3倍となる8,200円に上昇した」とのコメントがあり、伸びていることがわかります。なお、キーボードはパソコンゲーム周辺機器市場の2割弱を占めている、とのことです。


引用元:GFKジャパン パソコンゲーム周辺機器の販売動向プレスリリース

ゲーミングキーボードは、高速入力やキーの複数キーの同時押し、長押し、反射的に強めに打つ(押した感がわかるように打つ)といった動作が必要になることから、主にメカニカルキーボードが使われています。

ゲーミングキーボードは、光るタイプのものが多く、以下の画像のように派手なデザインが多いです。また、キーの「WASD」だけ色を変えてあることも多いため、すぐにわかります。これはゲーム中の移動が「W」キーは「↑」方向に、「A」キーは「←」方向に、「S」キーは「↓」方向に、「D」キーは「→」方向に動く操作になっていることが多いため、わかりやすいように色を変えています。

キーボードの世界観が浸透した未来像

会社の規模や業種によっても大きく変わってきてしまいますが、2018年現在の国内だと、会社の中で50人に1人か2人ぐらいがキーボードにこだわっているような感じではないでしょうか。(会社でいうと、1つの部門または本部の中で、キーボードにこだわっている人を数人見かけたことがあるな、ぐらいのイメージです。)

将来的には、それを5人に1人がPCキーボードにこだわりを持っている(会社でいうと1島に1人ぐらいはキーボードにこだわっているイメージ)、カスタマイズに必要なキーキャップを海外輸入せずに国内でも購入することができる、というぐらいに普及されるとうれしいなと、考えています。みなさんが、少しでもこだわることができるキーボードを見つけて、「毎日なんだかワクワクする、1つ楽しみが増えた」といってもらえるような普及活動・活発化に貢献できましたら幸いです。

更新履歴

  • 2021/04/11 Massdropの名称変更に伴い修正、一部情報追記
  • 2018/05/03 公開