どんなキーボードがあるのか

PCキーボードは、タイピング音、打鍵感(タイピングした時の感触)、手触り、形状、そして見た目も多種多様です。服や髪型、枕、コーヒーなどと同じように自分のこだわりや好みといった嗜好性が強く出る物でもあります。
たとえば、会社でPCを使う人(デスクワーク)は打ち心地のよいキーボードを、自宅をオシャレにしたい人はデコレーションされたキーボードを置く、といったことができます。キーボードを変えることで毎日が楽しく、心地よくなります。

まずは、それぞれ実物を見るとイメージがつきやすいかと思います。

タイピング音(打鍵音)

一般的なキーボードの音

「カチャカチャ」という軽めの音がします。バネの反発力があり、キーの押し具合が少し重めであることもタイピング音から伝わってきます。仕組み上、キーをしっかり押さないと入力できないため、自然とタイピング音も大きくなりがちです。
デスクトップPCは「メンブレン」と呼ばれるキースイッチで、ノートPCは「パンタグラフ」と呼ばれるキースイッチになり、それぞれ機構が異なりますが、ここではデスクトップPC用のキースイッチの音を掲載します。

高級キーボード(メカニカルキーボード)の音

「カシャカシャ」という音がします。バネの反発力が軽めになっていることが、音から伝わります。(バネの反発力を重めにするキースイッチもあります)
メカニカルキーボードは、キースイッチ(キーを押し込む時の機構)の種類によって、音が大きく異なります。たとえば、「青軸」と呼ばれるキースイッチは、「カチカチ」という音がなります。ここでは、一般的によく使われる「赤軸」と呼ばれるキースイッチの音を掲載します。

最高級キーボード(静電容量無接点方式キーボード)の音

「コトコト」や「カコカコ」という、しっとりした音がします。
「静電容量無接点方式キーボード」と呼ばれ、キーの押し込み具合によってキー入力の判定を行います。

ASMR(脳が気持ちよいと感じる音)キーボード音

キーボードのタイピング音に注目した、ASMR(脳が気持ちよいと感じる音)やヒーリングサウンドがあります。ひたすらキータイピングをする音、ささやき声とともに静かにキータイピングする音、タイピングするとキーが光って視覚的にも楽しめるものなど、たくさんの動画がアップされています。

打鍵感(タイピングした時の感触)

キーをタイピングした時の沈み込みや反発力(バネの力)など打鍵感に繋がります。
こちらは動画や画像では伝わりにくく、実際に触ってみないとわからないため、身近にあるものを例にお伝えします。

一般的なキーボードの打鍵感

みなさんの会社や自宅にあるようなキーボードやノートPCのキーボードになります。PCキーボードであれば、タイピングしたときに少し硬めの反発力があると思います。
一方でノートPCであれば、反発力が軽めになっていて、キーの沈み込みも非常に少ないといえます。2017モデルのMacBook Proや一部の極薄ノートPCでは、キーの沈み込みが全くなく、タイピングしたときに「ペチペチ」といった音が鳴ります。

高級キーボード(メカニカルキーボード)の打鍵感

最適な例が思い浮かばなかったのですが、そろばんを弾いた時の感覚や音に、少しだけ似ているかもしれません。

最高級キーボード(静電容量無接点方式キーボード)の打鍵感

コンビニ(セブンイレブンなど)や銀行のATMが、静電容量無接点方式のキーになっている可能性が高いです。
静電容量無接点方式」は、キーの沈み込みによって入力判定を行うため、物理的な耐久性に強く、しっかりとキー認識できる、誤入力を避けたい場合に使われます。金額入力など誤入力が発生すると利用者が困るため、金額を扱うような場面では静電容量無接点方式のキーが利用される機会が多いようです。

手触り

プラスチック素材からアクリル樹脂、そして木の材質まであるため、幅広いです。一般的にはプラスチック素材が多く流通しています。それ以外の素材はレア物になるかもしれません。

形状

レイアウトとしては、テンキー付きのフルサイズからテンキーレスのコンパクトサイズ(60%の大きさ)、さらに数字キーをなくした40%キーボードまであります。
また、ノートPCのように平べったいものから、厚みのあるもの、エルゴノミクス(人間工学をもとにタイピングしやすくしたもの)として左右に分割したものもあります。

見た目

キーキャップを交換したり、LEDでキーを光らせたり、キーボードの土台自体を変えてしまう、といったカスタマイズが可能です。

機能

最近では、プログラマブルとして、キーボードのレイアウトをキーボードのハードウェア側で制御して変更することができます。たとえば、CapsLockとCtrlのキー
を交換したい、という場合はキーのレイアウトを変更するためのソフトウェアをPCにインストールする必要がありますが、プログラマブルはその変更機能がキーボード上でできるため、ソフトウェアが必要ありません。
また、入力したキーに合わせて音楽や効果音を鳴らしたり、LEDで光らせたり、そういった機能を持ったキーボードも人気です。

私が持っているVortex Coreはプログラマブルのため、ソフトウェアがインストールできないPC端末を利用する時には、非常に重宝しています。


キーボードの何がうれしいのか?

趣味性の強い嗜好品になりますので、キーボード独特の世界観があります。
「純粋に使いやすいから」という理由や「コレクターとして収集自体が楽しい」という人もいます。

体験・感覚が変わる(UX)

キーボードをタイピングした時の気持ちよさ、癒されるタイピング音、InstagramやMassdropでレア物を発見した時の高揚感まで、探す楽しさと、使うおもしろさを兼ね備えています。見た目も多種多様に変えることができるため、自分独自の世界観に没頭できます。服や靴、コーヒー、時計、万年筆などの世界観と似ています。

使い勝手が変わる(UI)

実用面として、自分がタイピングしやすいレイアウトや形状を選択することで、タイピングのミスを防いだり、手首や首の疲れの軽減ができます。
キーボードの大きさも色々あるため、省スペースの机にはコンパクトサイズのキーボードを選択して机を広く使うといった工夫が可能です。

どこで入手できるのか?

タイピング音・打鍵感・形状を変えたい

キーボードをカスタマイズすることもできますが、手っ取り早いのはキーボード自体を購入してしまうことです。まずは日本で入手できるキーボードから手を出すのが安心です。

メカニカル・静電容量無接点方式キーボードの中では、「PFU」「東プレ」「ARCHISS」「FILCO」が有名どころのため、そちらをまず見てみるとよいです。できれば、家電量販店などにいって、実際に触ってみることをオススメします。

Amazon – メカニカルキーボード(PFU,東プレ,ARCHISS,FILCO)

見た目・手触りを変えたい

一般に流通している商品の場合は、デコレーション済みのものが少ないため、お手持ちのキーボードに取り付け交換できるキーキャップ(別名:キートップ)を購入したり、シールなどでDIYすることになります。

DIYでキーボードをデコレーションする

シンプルにマスキングテープでDIYする方法があります。DIY女子であれば、すでに手持ちのマスキングテープでかんたんに作れそうです。

マスキングテープでキーボードをデコっておしゃれなパソコンへリメイク!

キーキャップを交換する

自分のキーボードと交換が可能なキーキャップを探す必要があります。
Amazonなどで、「キースイッチの名前(Cherry MXなど)+キーキャップ」と検索すると、バリエーションは多くないですが、見つけることができます。

Amazon – Cherry MX キーキャップ